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 JR京終駅前のオーガニックマーケットからのブログです。自然食品やエコロジー雑貨、フェアトレード商品を扱っています。  物語のある製品と作り手の風景を伝えながら事業をささやかにすすめています。
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85歳・・・・・信濃の旅人にであう・・・・・

    不便な電車待ちの時間だったのでしょう。   品格の良い一人のご老人が立ち寄られました。

オーガニックコーヒーを注文され、昨日入った有機小たまねぎを見て「おいしそうな玉ねぎやな」と。

BGMをかけると、静かにコーヒーを飲み、ひとときを過ごせば出られるお客様にみえました。

 店の片隅に仲間たちとのりんごを狩りにいった写真のパネル。「なんか懐かしい風景だな」とのつぶやきに

「信州安曇野ですよ」とこたえると静かなお顔が一気にほころびました。「僕はこのあたりが大好きなんですよ」

 ご老人は昔からの知り合いのように話される。  北アルプスにも登られ縦走もされていたようで「白馬のこちら側の山、そうそう唐松岳にものぼりました。」「唐松は険しい山だと聞いています。」「そうなんですよ。かなり険しい山で・・・・・だけど不帰のキレットがまん前に見えるんです。」

それからは、爺が岳、白馬三山、とよく知る山の名前が次々とこぼれだし、ご老人は時を忘れたかのように夢中で話し続けられたのです。「名古屋から信州へ入るでしょう。帰りは大糸線から北陸へ出るんです」「ああ、私はその反対を辿ります。行くときは糸魚川なんです。」「それは・・・・・糸魚川では朝一番の電車ですね」「はい、その時間の大糸線に乗りたくていくんです。」    お話しはとめどなく続きます。    何気なく片隅に置いた
数年前の安曇野のパネル・・・・・誰かが興味を持ってこんなに話してくれるもんなんですね・・・・・・

 久しぶりに懐かしい旅をした気分でした・・・・・・無人駅まえにて・・・・・・・

 

 

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さいはての地にて・・・・・
   それは私にとって、紛れもなく感傷の旅でした。   苦手な飛行機で千歳に着陸したのは夏休みも半ばすぎ・・・・・家族をつれてのドライバーとなって千歳~旭川~層雲峡、北見~網走~知床、摩周湖~阿寒湖、
池田~帯広~札幌を走りました。   人生の岐路であり大きな挫折感の30代前半でした。

 旅というより、ほとんど修業、愛らしいきたきつねでさえ、憮然と見つめた記憶がわずかにあります。

その年の北海道は例のない猛暑。  もとより、爽やかな夏が売りの北海道はどこもかしこも、冷房設備の必要のない宿泊施設ばかりだったのですがその年はどこも寝苦しい夏をすごしたようです。

 記憶を辿ればフラッシュのように大雪山、オホーツクの海、窓からずっとそびえた斜里岳、ウトロ港、大雨の摩周湖、うって変わり晴天の阿寒湖、帯広、なにかよどんだ思い出が残ります。そうせっかくの北海道、多分私はうつうつと何かを背負う修験者のごとく旅していたのです。    不機嫌でした(笑)  それにしても北海道の広いこと・・・・・地図で見る数センチがとてつもなく長く、いつまでたっても先がみえないたびでした。

   誤算でした。北海道を甘くみていました。そして観光とは程遠い、傷だらけの旅路でした。

心がやっと、落ち着き始めたのは旅の最後、池田のワイン城で子供達が噴水の水辺で水遊びをしたころでした。    帯広までいけば車を降りて列車に乗れる・・・・・そう思ったときです。

   最後の十勝川温泉の一夜は安らぎでした。   次の朝・・・・ごうっーという大きな音の繰り返しで目覚めました。   とてつもなく大きな音・・・・・北海道で何?      気球を膨らませる轟音でした。気球に乗るイベントの準備だったのです。         何故、あこがれの北海道がこんなにつらい旅だったのか・・・・・思えばやはり、
心、病んでいたのかもしれません。     地図を広げると、やはり普通は女一人で運転する旅ではありません。    自由さの裏側で自分のセーフティネットのない孤独との闘いだったと思います。   この時の北海道からの教訓は、「心は自然さえも見方を変えてしまうことがある」 ということでした。  「自然の中にいる幸せ」をこれほど感じなかった旅はありません。   つらい記憶が懐かしさに変わることのなかった旅でした。

 オホーツクは静かな海でした。知床半島も思っていたより穏やかな波でした。とても最果て、地の果ての地とは思えない内陸的な静けさがありました。 その風景の裏切られ感がいっそう孤独をましました。そう自分から逃げる自分は許されなかったのです。  この初めての旅の重さから私は人生観を変えた気がします。そう自分から逃げてもそこにいるのは逃げた自分の虚しさだけだということに・・・・・・
旅が好き、歌が好き・・・・・・

 類まれなる音楽好き、そして旅が好きな管理人です^^
辛いことも、今までの人生、ほとんどどちらかで乗り切ってきたと言って過言ではありません。
そして、唯一の強みでもあるわけです。  同じ匂いの人間に出会うとたいてい音楽好き、旅好き(正確には自
然好き)だったりするのです。    どんなに貧困でも生きるパートナーとしてこの二つは手放せません。
  そして、この二つを媒介として「書く」「伝える」が生まれるのです。

最近、私達の時代を彩ってくれた日本の音楽家たちが相次いで他界され、さみしい思いをしています。

青春時代の歌声は、高度成長時代に力と勇気をくれたものです。

最近には三木たかしさんが亡くなり、忌野さんが亡くなり、フォーリーブスのター坊も。

自分の明日ももう「近い」あの世になってきたのですね。だけど「死して生きる」というこの世の現実も見ているように思います。亡くなることで自身も生きた証を遺し、また家族や近い人々は死を越えることで生かされ・・・・・

 「お金も名誉もほしくないけど、旅と音楽はしていたい」当面の私の望みです。「北海道へ」当面の望みです(笑)   しかもブルートレインにのって・・・・・その北海道を旅した私の記憶を次回につづります。

 

無人駅の夕暮れ
  さわやかな風に出会う夕暮れがある。日没が遅くなった最近、午後からひどく突風が吹き天候が崩れたりする日もあるんだけど、おだやかな夕暮れにゆっくりと夕日が落ちてゆく。無人駅のレトロな建物がしずかに漂い、学生達がばらばらと自転車で散ってゆく。   散歩する犬たちが歩く。鳴く。はしゃぐ。そして風に吹かれている。  コンクリートの上に、座って夕日をみている。   新しいマンションが夕日に照らされている。

 日常の風景にも、旅人が立ち寄ることも多い。  無人駅は案内人がいないので、尋ねる人はこんなお店くらいしかないのだろう。  お茶を飲んでいく人もいる。両替をたのむ人、電車まちに商品を見る人、散策に出かける人、さまざまである。    店頭にはならまちや界隈の地図やパンフレットをおいている。

 こんな町にも旅人は来る。駅に降りればなんとかなると思ってきても駅前はどう進めばよいかわからない奇妙な道・・・・・尋ねる人もなく、列車は一時間に二本・・・・・・一本の時間帯もある。

 高円山を望む場所にあり、小さなお寺やギャラリーもある。  さわやかな風吹く夕暮れには時々、春日山、高円山の東山から月の出を望むこともある。   山をせりあがってくるつきは山の端を明るく染めて大きく姿を現す。   月の出は荘厳でわくわくします。   昔は月で子供達も遊んだもの・・・・・

 奈良は月の美しいところだといいます。  多分東山の低山が連なっていて満月が似合うんでしょう。

大和平野の見晴らしの良い堤防にたつと、それがよくわかります。  奈良町界隈を散策しながら、無人駅で
旅の夕日を見る。 日本はいいところだと、線路わきの草花に目をむけたくなる初夏のころです。

農園へと・・・・・・
 週一回、お店に通うアサト君が怪我で長く休んでいる。   久しぶりに故郷、県南の農園を訪ねていくことにした。    ギブス姿のアサトと友人でりんごのネットワークのメンバーのお禎さんとで待ちあわせ、一路奈良県の葛城山ふもとまで。    こちらは、有機たまねぎの買い付けが目的なのだけど、もう少し時間がかかりそうだ。    御所市と五条との市境は農園の正二さんいわく日本のチベット・・・・・・段々畑からは大和平野が一望でき奈良の東部の山々が見渡せます。   その日は少し霞みもよう。普段よく見える榛原や宇陀、高見山は曇って見渡せません。  大峰の山々や大台も煙っていました。    でも春さきの山麓は下界とは空気が違い心も和みます。  気づくことは、県南に近づくほど、忘れていた春の原風景が多いこと。  そういえば
こいのぼりも、最近奈良、郡山地方では見かけなくなりました。  南にはまだそんな春うららのこいのぼり、れんげ畑、クローバーやからすのえんどう、すずめのてっぽうがたくさん咲いていました。    なるほど、香りがそもそも違います。  懐かしい匂いの山麓でうねうねと有機農業をされている正二さんはアサトをみて、桜の木の下に古い椅子をおいてくれました。   その桜の木陰で彼は腰掛、   少し前には見事に咲いていただろう桜の下は、さわ風が吹きせせらぎの清水が心地よく流れていて、正二さんもお昼ねに横たわるそうです。

  新たまねぎとレタスがなる農園で正二さんに作物を少し分けてもらって、しばしの滞在。   やはり長くなってしまいました。(笑)    この農園に通い始めて一年、やっと少し心が見えてきました。  お互いが成ってゆくコラボレーションを話ながら、スローなビジネスを実感したのです。    心がすさんでいたアサトや私達も仕事でこんな自然の中に来れる幸せを感じました。    数時間の心の旅でした・・・・・・
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