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 JR京終駅前のオーガニックマーケットからのブログです。自然食品やエコロジー雑貨、フェアトレード商品を扱っています。  物語のある製品と作り手の風景を伝えながら事業をささやかにすすめています。
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迷い道・・・・・
   名古屋は緑の多い都市だと思う。   一年に二度ほど、買い付けと交流会で訪ねることがあるけれど、
自身が方向音痴ではないだけに、迷うとパニックになりやすい。(方向音痴ではないという自信があるゆえに)

 地下鉄を出て、まばゆい陽射しの大通りに出る。 まっすぐに歩いたら・・・・との覚えから信号を渡りひたすら歩き始めた。     大都市の風景はよく似ている。大きい車線、交通量、並木道、スクランブル交差点、
  名古屋は、それでも深い緑が多いと思う。   名古屋城や公園、ビルよりも昔ながらの風情が強く残っているからなのか・・・・・京都などに比べ、個人の頑固な歴史を感じる町である。

 初夏の陽射しの中を10分は歩いたろうか・・・・・ふと、何か感じて立ち止まった。何か・・・・・とは
「前と違う何か」である。「大きな病院を見ながら並木道をまっすぐ」と記憶していたのだが、何か違う。

並木道・・・・・そう途中から並木の高さに以前と違う感がした。何か・・・・・「ぞっ」とする寒気を感じたのだ。

  畏るおそる、上を見上げて再び「ぞっ!」とした。   並木は道よりもはるか高台から、大きく道全体を覆うように茂っていたのだ。     桜並木だったように思う。   しかし、自分のいる場所からではなく城壁のような高い壁がはるか高くのびてその上に桜並木が並んでいるのだ。   この怖さは初めての体験だった。

同時に「道が違っている」・・・・・二つの異変が私を慌てさせた。   「もどろうか・・・・いや、随分来てしまった。先で道を聞いて違う方から向かったほうがいい」二者択一をせまられながら、「戻るなら早いうち」とつぶやいていた。  「道を間違えたのなら一番最初だ。まっすぐに歩く方角を間違えたのだ。」城壁の高く高く桜の風にざわめく音がする。   「こわい」・・・・・霊的なこわさが明るい大都市の大通りに響いていた。

   「この先で対角線に歩けばたどり着ける」漠然とした計算が私を促し、その不気味な場所を走って通り過ぎた。    道行く人はいない・・・・・大通りを右折したが誰もいない・・・・・でもとにかく、この明るい畏れのない道を選ぶ。   二度と「ぞっ」とする道は歩きたくない。     やっと見つけた工事中のおじさんに道を聞いた。
  「反対方向、結構あるよ」・・・・・交流会の代表者に「遅れる」連絡をして、道を急ぐ。     

 似たような風景の都会では、ふと感じた「違う」が間違いなく正しい。    最近その勘は歳とともに冴えてきた。    「何か違う」そう感じた自分を信じるとたいてい正しい・・・・・・

  名古屋の町は昔と今が共存している。    あの明るい大通りで、数メートル続いた冷ややかな空気と高い並木、   こわいという感じがなければ、私はどこまで歩いていたのだろう・・・・・・・・
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